和彫りの名品 解説

うみさちあぼしずつば

海幸網干図鐔

  • 江戸~明治時代 
  • 後藤一乗
  • 清水三年坂美術館(京都)

 後藤一乗は寛永3(1791)年京都で生まれ、後藤八郎兵衛家六代目を15歳で継ぎ、明治9(1876)年86歳で没した。この鐔は小柄、笄、目貫、裏瓦、縁、頭、鐺、栗形の揃金具の内の鐔である。小柄には海鳥、栗形には貝尽くし、そして鐔には表に衰亀と蝶、裏には干し網と鳥が彫られている。

※鐔/鍔 (つば)
「柄(つか)と刀身の境にはさむ刀剣装具。拳(こぶし)を相手の攻撃から守り、刀のバランスを保つ。古くは古墳時代の頭椎(かぶつち)大刀に見られるが、鑑賞の対象とされるのは主として室町期以降のもので、鉄、赤銅、真鍮(しんちゅう)、素銅、朧銀(ろうぎん)などを素材とし、透彫、高彫、薄肉彫、毛彫、象嵌(ぞうがん)などで装飾。」
出典:Yahoo!百科事典(小笠原信夫 /小学館『日本大百科全書』)

出典
「幕末・明治の鐔・刀装金工」
企画監修:村田 理如(清水三年坂美術館) 発行:マリア書房

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海幸網干図鐔