松笠抽斗引手金具 松笠抽斗引手金具

円彫りの作品

まつかさひきだしひきてかなぐ

松笠抽斗引手金具

作:株式会社 俄 製作課

抽斗(ひきだし)の引手部分を松笠(まつかさ/まつぼっくり)で製作したものです。三つの松笠が徐々に開いていく様子を、金属の塊から円彫りで彫りすすめました。私はもともと絵をかくことが好きで、描写もできなくはない方でしたので、このように、自然の小さな動きを見て、それを形に表現することができます。松笠だけでなく、モチーフにしたものを限りなく実写に近いところまで、彫金で作りあげていくことは、いつの時代の金工職人も挑んだことです。
また、江戸時代には経済力をつけた都市民は生活の身の回りの飾りに金工を用いました。江戸時代にはこの作品のように、引手に意匠をあしらったものが生活を飾ったと思うととても贅沢ですね。

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