地彫りの作品
うちだしじぼり きくぶんちん
打出し地彫りで作成した菊の文鎮です。元々は一枚の金属板です。そこに裏面から打ち出して膨らみをもたせ、盛り上がった地金部分に地彫りで菊を形成していきます。文鎮ですので、手に取って見える距離で見て美しいかどうかを考えながら作成しました。菊の花部分は直径約3.3センチで、1枚の花弁の長さは3ミリ、幅2ミリと小振りながら、花弁は多いところで11枚重ねています。花びらそれぞれにも毛彫りで線を入れることで曲線をより際立たせています。このような細かな作業は非常に手間がかりますが、それにより存在感のある菊に近づきます。下の木箱部分に手には持つとカラカラと音をさせる、隠し玉をしのばせました。